周智郡森町「森之城」に新城を発見!

昨年7月に、『静岡県の城跡—中世城郭縄張図集成—』の(中部・駿河国版)が発刊されました。各地からの好評もあり、次の(西部・遠江国版)発刊はいつなのか、多くの問い合わせもありました。

実は、当会では創立40周年に合わせた「歴史シンポジウム・イン静岡」を11月23日・24日に開催しましたが、早くも翌12月からは遠江国である牧之原市の「龍限山城」、そして森町の「森之城」・「朝比奈氏屋敷」の現地調査を実施しています。ここでは、取分け興味深い森之城調査について紹介したいと思います。

森之城は、森町南域の森に存在し(森町役場南)、標高約110mの山城です。同城については本会により昭和61年に調査はされていましたが、今回の再調査により予想以上に広大であったことが判明しました。南北350m以上ある比較的痩せ尾根上に、堀切、削平地による4区の空間から縄張りされていますが、あくまでも自然地形の曲輪も多く、遺構も粗雑で臨時性の高い構造でした。

   

同城について『駿河志料』には、永正年間、今川氏親に与した大森泰守が在城したとあります。

しかし、これだけ広大な山城を機能・運用できるのは土豪層では考えられず、やはり古く一宮荘は、同荘代官の武藤氏の所領で、戦国期には武田氏に従属した影響も考えられます。相当数の兵員を収容できる空間からは、元亀3年(1572)以降の武田・徳川両氏による抗争期が、現況遺構から多いに導き出されるのではないかと思います。当該地域には、武藤氏の「真田城」近くに「伏間城」、「片瀬城」など同形態の山城が多く確認され、これからは戦国期抗争の実態を解明でき、多くの話題を提供してくれるビッグポイントといえるでしょう。(水野茂)

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