第241回見学会のご案内

 

駿河南朝最後の拠点・徳山城を探訪

寒さも幾分やわらぎ、春の訪れを感じる今日この頃ですが、みなさまに於かれましてはご清祥のことと拝察いたします。
さて、3月の見学会は、古城研究会創立以来始めての試みとなりますが、県下屈指の高所に築かれた南北朝期の城郭見学をいたします。標高1000m余の山岳ですが、林道により比較的アクセスも良く、清々しい気分で山歩きの楽しさを味わえると思います。
静岡県の城郭研究を極めるには、南北朝期の遺構として恰好の指標である徳山城を見学することは必須といえますので、多数のご参加を期待します。

  • 実施日:平成26年3月16日(日曜日)  雨天延期(未定)
  • 見学先:〈本川根町〉護応土城、徳山城、天王山城、土岐氏屋敷跡
    〔脚力レベル: 4/5 ★★★★☆〕
  • 参加費:4,500円 当日バス内で集金
  • 乗り物:市沢バス 定員28名〔集合場所:静岡駅南口・交差点付近で乗車〕
  • 身支度:ハイキング程度の服装・弁当飲物類・雨具・手袋
  • 担当者:乘松理事・小川理事
  • 締切り:定員28名になり次第締切り。
    お申し込みはこちらから(非会員の参加も大歓迎)
  • 日 程:※メールには必要事項および乗降希望場所を明記してください。
    8:00 JR静岡駅南口集合出発 → (国一バイパス経由) → 8:45 JR島田駅 → (大井川沿いに千頭に向かう) → 国道362号 → 10:15~11:15 護応土城 →
    バス移動・高山付近から林道を徒歩移動 → 12:00~14:00 徳山城(昼食) →
    15:00~15:30 天王山城 → 15:45~16:15 森の段(土岐氏屋敷跡 →
    17:30 JR島田駅 →(国一バイパス経由) → 18:30 JR静岡駅南口 帰着


主な見学先の概要

【護応土城】榛原郡川根本町字富士城 標高955m
当城は、川根街道(国道362号)が通過する富士城集落北東背後に位置する。同古道を西に下れば千頭に向い、分岐する古道を北上すれば智者山(標高1291m)へ、南下すれば徳山城の無双連山(標高1083m)に至る交通の要衝地にある。

文和2年(1353)2月、今川範氏は駿河南朝の拠点である鴾(土岐)彦太郎が立て籠る徳山城を攻めるが、別働隊の伊達景宗軍は藁科川沿いに北上し、搦手筋となるこの護応土城から攻め込んでいる。戦功を伝える伊達景宗軍忠状に「藁科越壱木戸於五応度要害」と位置付け、徳山城北方を守備する出城であったことを伝えている。

沼館愛三 護応土城見取図

沼館愛三 護応土城見取図

現状は、植林となっており尾根に沿うように古道跡が残る程度で、城郭遺構としての縄張りは明確ではない。しかし戦前の沼館愛三氏の研究に描かれた見取図(右図)とほぼ一致する痕跡があることを、見学会下見に行かれた乘松理事・小川理事から報告があったので、そのあたりをポイントに精査されたい。

【徳山城】榛原郡川根本町徳山 標高1083m
徳山城は、川根本町と島田市の境界となる無双連山(標高1083m)の山頂尾根に展開し築かれている。清水砦・犬戻り猿戻り・本城山・殿屋敷・陣屋平・鍛冶屋敷・蔵屋敷などの古地名が連続し総延長は1200m以上になる。沼館愛三 徳山城見取図

 観応3年(1352)、足利尊氏から「遠江・駿河両国凶徒退治事」を命じられた今川範氏は、大津城(島田市野田または藤枝市滝沢)を攻略し、翌文和2年(1353)2月10日に「徳山凶徒退治」のため発向した。別動隊の伊達景宗軍は、藁科越えによる搦手から攻撃をし、11日に萩多和城、13日に護応土城を攻略。その後一旦、徳山城を迂回するように16日朝日山に陣取り、さらに西に回り込み18日に四伝多和に仕寄を築き、7日後の25日に夜襲をもって鴾彦太郎・親類兄弟・石塔入道家人佐竹兵庫入道・藁科以下凶徒等を没落させている。なんと15日間におよぶ苦戦を強いられていたことが分かる。

ところで、本隊の範氏の動きは不明である。伊達景宗軍忠状しか史料がないためであるが、範氏本隊も必ず攻撃した筈である。私見であるが、徳山城の南・笹間方面からと考えている。それは、伊達景宗軍の行動がどうも本隊と連携するように日数をかけ、陣取り場所にも配慮が見えるからである。軍忠状にある搦手という表現自体も別働隊ならしめている。また、徳山城の防備が南に対して厳重で、本会の踏査でもその筋に新遺構を数カ所確認しており、今後の未調査域精査に期待がかかる。

 南北朝動乱期における「徳山凶徒退治」の戦い模様を克明に記した伊達景宗軍忠状は、本会のさらなる研究の深化を促すまさにバイブルである。

 

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