第261回見学会の実施報告

霧山城にて

4月21(土)・22日(日)、当会の平成29年度の最後の見学会となる1泊見学会が、三重県中部の山城を目的地に行われました。今回は「国司大名」の一つで南北朝時代から戦国時代に伊勢を中心に繁栄し、最終的には天正期に織田信長によって滅ぼされた北畠氏関連の山城をめぐる見学会でした。参加者は23名+現地で合流2名の総勢25名と、まずまずの人数となりました。

1日目の4月21日(土)、雲一つない快晴の天候の下、7:30に静岡駅南口を出発。西部地区の参加者を途中のICやPAで拾い、途中四日市周辺で渋滞に遭いながらも、出発から約4時間で現地に到着しました。

阿坂城

最初の見学地は松阪市大阿坂町にある阿坂城でした。麓の浄眼寺から山道を登ること約40分で先ず北郭(「椎之木城」)に到着。参加者は、突然現れた切岸や竪堀に驚嘆しつつ、小規模な土塁に囲まれた主郭やその周辺を丹念に観察していました。一行はここで昼食を摂った後、更に南に歩くこと約10分で南郭(「白米城」)に着きました。山頂からの景色は、少し春霞がかかっていたものの絶景で、一行は眼下の景色をバックに、石碑の前で今回最初の記念撮影を行いました。

 

大河内城

次に松阪市大河内町の大河内城を見学しました。大河内城は現在神社や畑の開墾などで中心部は改変されてしまっているものの、周辺部には堀切等が残っており、永禄12年(1569)に織田軍と北畠軍の間で繰り広げられた激しい攻防の跡を垣間見ることができました。

 

 

 

田丸城

その後、玉城町田丸の田丸城、松阪市殿町の松坂城という、二つの石垣の城を見学しました。両城とも北畠氏ゆかりの城ですが、織田氏の伊勢侵攻後は織田信雄や蒲生氏郷らが城主となり織豊系の石垣をもつ城に生まれ変わりました。参加者は見事な石垣に目を見張りながら見学していました。

 

 

松坂城

松坂城見学後、近くの宿泊地に到着。着いた後は、市街地の居酒屋に移動し、盛大に宴会が行われました。

 

 

 

 

北畠氏館跡

2日目の4月22日(日)も快晴に恵まれました。松阪のホテルを8:00に出発、1時間と少し山道をバスに揺られ、先ず津市美杉のふるさと資料館を見学しました。ここには北畠氏館跡や周辺地区の発掘調査で出土した遺物や館の復元模型などが展示されており、南北朝時代から戦国時代にかけて同地域を中心に伊勢を支配した北畠氏の力と権威を視覚的に感じることができました。
資料館見学後、程なく北畠神社に到着。神社境内の北畠氏館跡をざっと見学した後、神社裏の山道を登り、詰城と霧山城を目指しました。
山道を15分ほど登ると、先ず詰城の遺構に到着。詰城からは城下の集落を眼下に見下ろすことができ、参加者は館跡周辺の中世の景観をイメージしつつ、曲輪や堀切などの遺構を観察していました。

霧山城

詰城の遺構を観察した後、更に40分ほど山道を登り、ようやく霧山城の南曲輪に到着しました。山頂からの雄大な景色と堀切・土塁などの遺構をしばし楽しんだ後、更に歩くこと約10分、遂にこの日のメインの目的地、霧山城の北曲輪(本城部分)にたどり着きました。ここからも周辺の山々を望む景色が堪能でき、大規模な堀切や高さのある土塁などの遺構も素晴らしいものがありました。参加者一行はここで昼食を摂り、今回二度目の記念撮影。新緑の霧山城を十分楽しむことができました。

 

波瀬城

霧山城から下山し再びバスに揺られること約1時間、本日3ヵ所目の目的地となる波瀬城に到着しました。この城は当初の見学予定地の滝之川城が悪条件で集団の見学に不向きなため、それに代えて急きょ見学地に入れた所ですが、堀切や土塁、曲輪が良好に残っており、十分楽しむことができました。
その後、今回の1泊見学会の最後の見学地となる八田城を訪れました。同城はかつて(平成の初め頃?)整備が行われ看板や展望台、トイレ等の見学施設も設けられていたようですが、その後放置され、かつて造られた施設はかなり朽ちていました。しかし、城郭遺構は見事に残っており、大規模な土塁や堀、技巧的な虎口など、織豊系城郭を思わせる構造が大変興味深いものでした。

八田城

八田城を見学した後一行はバスに乗り、途中亀山周辺で渋滞に遭いながらも、刈谷SAでの休憩をはさんで約4時間で静岡駅に無事帰還しました。

以上、今回は2日間とも好天に恵まれましたが、初夏を思わせる暑さの中、一人の落伍者や熱中症の患者も出さず、無事行ってくることができました。三重県への1泊見学会は十数年ぶりだったと思いますが、今回訪れた三重県中部地域も、素朴な山城から高石垣をもつ織豊系の城郭まで様々な城郭遺構があり、参加者の皆さんも十分楽しむことができたのではないかと思います。来年度の1泊見学会も是非お楽しみにしてください!!(文責:望月保宏)

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