第266回見学会(一泊二日)の報告

4月20日(土)・21日(日)、当会の平成30年度の最後の見学会となる1泊見学会が、茨城県南部にあたる常陸南部~下総北部地域の城を目的地に行われました。今回は小田原北条氏の支配領域の東端にあたり、常陸北部~中部に勢力を拡大しつつあった佐竹氏との抗争の舞台となり、また各勢力に翻弄された国衆たちの城跡を訪ね、それぞれの城郭の縄張りの特徴について考察する見学会でした。参加者は20名+現地合流2名の総勢22名で行われました。

木原城にて集合写真

1日目の行程 7:30静岡駅をバスにて茨城県(常陸)に向けて出発。

【守谷城】

1城目は茨城県守谷市本町の「守谷城」を見学。守谷城は、下総千葉氏の一族・相馬氏の拠点、戦国期は古河公方家臣として、上杉(長尾)氏や後北条氏の傘下として活動。現在は、「守谷城址公園」になっていますが、城跡ゾーンには空堀で区画された後北条系の大きな曲輪が3つが有り、土塁、虎口、土橋など残る。また、公園内の水辺ゾーンはかつての湿地帯に突出した城郭の様子がうかがえました。見学後昼食をとり次の目的地へバスにて移動。

【牛久城】

2城目は牛久市城内町の「牛久城」を見学。牛久城は小田氏の一族の岡見氏の城で在ったが、戦国期は後北条氏の最前線の境目の城として在番衆が置かれた。此方も巨大な空堀を有し、堀底には畝状の凹凸が見える。かつては牛久沼に隣接する半島状の台地に築かれた総構のある巨大な城郭で、江戸時代は山口氏の牛久陣屋として一部は明治期まで存続しました。

【塙城】

3城目は、阿見町塙の「塙城」を見学。低地にあったと思われる館跡の小字「たて」をはさみ、本城・南城(南東側)と北の廓・北城(北西側)の一城別廓の形式。北城の横矢掛りを各所に配置した二重の堀は圧巻で見学者の歓声が上がっていました。

【木原城】

4城目は、三浦村木原の「木原城」を見学。木原城は土岐氏に従属した近藤氏の城。戦国末期には後北条氏の領域で、対佐竹氏の常陸戦線の最北端に位置した。現在詰曲輪(曲輪1)は「木原城山公園」となっており、詰曲輪の展望台からは霞ケ浦越しに対岸の佐竹氏の領内が見渡せる。詰曲輪内の花壇のチューリップが満開でしたので、此方で集合の記念写真を撮影。なお、稲荷曲輪~曲輪2間の横堀は1日目に見学した城郭の中で最大の空掘でした。

1日目の見学会を終え水戸市のホテルに到着、市内の居酒屋で美味しい料理と美味しい地酒を飲みながら懇親会。各テーブルでお城談義が行われました。

宿泊したホテルは水戸城に近く、早起きされた方達は、2日目の見学会出発前に水戸城の見学に行かれていました。

2日目の行程 8:15出発

【小幡城】

5城目は、茨城町小幡の「小幡城」を見学。後北条氏の築城方法と異なる巨大な堀と土塁が複雑に連なる技巧的な遺構がほぼ完全な状態で残る今回の見学会最大の見どころでした。深く幅広の堀底道を迷路のように巡らせ、主郭を中心に周囲を固めるように配置された曲輪、武者隠し、櫓跡、横矢掛りの土塁の折など、さまざまな工夫がみられ参加者は見事な縄張に感嘆して見学されていました。

【小田城】

6城目は、つくば市小田の「小田城」に到着後、昼食をとり「小田城跡歴史広場」として復元整備された城内と、説明と展示物が充実しているガイダンス施設を見学。小田城は、八田氏(のちの小田氏)の方形居館から出発し南北朝期より拡大強化を重ね、戦国期には21.7ヘクタールに及ぶ馬出や畝掘のある巨大な平城へ進化を遂げた。戦国期は小田氏治の居城で、佐竹氏、後北条氏、上杉(長尾)氏の争奪の舞台となった。

逆井城

7城目は、坂東市逆井の「逆井城(飯沼城)」を見学。「逆井城跡公園」として発掘調査を元に復元整備された二層櫓、土塀、櫓門、井楼矢倉等があり、戦国期の城郭の風景を感じる事が出来ました。また、比高二重土塁(堀の内側と外側に土塁が有り、内側の土塁を高くすることにより堀内の高低差を稼ぐ)等、後北条氏の築城法の特徴を見る事が出来ました。

以上、今回は2日間春霞がかかる天候でしたが、暑くも無く寒くもない過ごしやすい気候でした。静岡近辺のお城とは設計思想の異なる平野部に作られた、巨大な空堀と巨大な曲輪を有する土造りの城郭遺構群を見学しました。 参加者して頂いた皆様にも好評で、常陸のお城見学会の第2段を希望する声も聞こえ十分満足して頂けたと思います。また、来年度の1泊見学会も是非お楽しみにして下さい。!!(文:松永澄尚)

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