興国寺城 二の丸虎口土橋の発掘調査報告Ⅲ

水野会長から興国寺城発掘調査の報告がありましたので掲載します。

要旨:昨年度から進めていた三の丸から二の丸をつなぐ土橋調査であ るが、最末期にあたる天野氏期の盛土の土橋から西側の堀の中に 石列が見つかっていた(盛土側に石面・東向き)。今回は、その対と なる西側に石積みが確認され(西向き)、数回の改修が分かった。 さらに、三の丸大手付近の外堀に落ち込む急斜面と、地山が大き く盛り上がった土塁跡が確認できた。
興国寺城二の丸土橋の発掘PDF

富士・沼津・三島3市博物館共同企画展「駿東・北伊豆の戦国時代」開催のお知らせ

三島市郷土資料館では「北条五代と山中城」がメインテーマで平成28年10月15日(土)~平成29年1月22日(日)まで沼津市明治史料館では「駿豆争乱 国境の攻防」がメインテーマで平成28年11月12日(土)~平成29年1月29日(日)まで富士市の富士山かぐや姫ミュージアムでは「三国同盟とその周辺」がメインテーマで平成28年12月17日(土)~平成29年2月26日(日)まで開催されます。

関連講演は、三島市は既に終了(11月13日 黒田基樹氏)しましたが、沼津市は1月8日(日)14:00~ 則竹雄一氏が「戦国の争乱と沼津-境界の戦国史-」という演題で、富士市は1月29日(日)14:00~ 松本将太氏が「大宮司富士氏と大宮城」という演題で行います。申込み方法など詳細は、両博物館のホームページをご覧ください。

 

第253回見学会「新見解による信玄・勝頼の久野城攻め」参加報告

久野城東側にて

久野城東側にて

久野城本丸跡で水野会長の説明を聴く参加者

久野城本丸跡で水野会長の説明を聴く参加者

高平山砦北側にある遍照寺(本堂及び大仏の裏側に土塁が残存)

高平山砦北側にある遍照寺(本堂及び大仏の裏側に土塁が残存)

発掘で確認された高平山砦南部の堀跡付近にて

発掘で確認された高平山砦南部の堀跡付近にて

11月20日(日)、前日の雨も上がった晴天の下、第253回見学会「新見解による信玄・勝頼の久野城攻め」が予定どおり開催されました。見学会は、バスの定員を上回る36名の参加者があり、一部の方は自家用車で移動をお願いするほどの大盛況の見学会となりました。

一行は、まず今回の見学会のテーマの「標的」となった久野城を見学しました。同城は袋井市の教育委員会によって発掘調査及び整備が行われており、見学しやすい状態になっています。同城は織豊期に豊臣系大名の松下氏が入った際に大規模に改修され、江戸初期に北条氏重により徹底的に解体が行われているため、それ以前の状況を伝える遺構はわずかですが、それでも16世紀後半に武田軍と徳川軍が対峙していた際の位置付けを確認することができました。

 

次に、本庄山砦跡の麓を通って以前発掘調査で発見された大規模な横堀跡を見学した後、最近水野会長らによって発見された高平山砦跡に向かいました。同砦跡の北側には江戸時代に造られた大仏のある遍照寺があり、一行はそこで昼食をとりました。その遍照寺の本堂北側には、城郭に関連するものかどうかわかりませんが、土塁が残存しています。

昼食後、森町教育委員会の北島恵介氏の案内で、いよいよ高平山砦跡の現地へ。砦跡のあった丘陵上は弥生時代の集落遺跡や古墳群があり、古くからの人間の生活の跡がみられました。それらを横目に見ながら南側へ行くと東西に少し窪んだ場所があり、北島氏がそこを試掘した結果、堀状の遺構が出てきたとのことでした。そして更に南に行き、東側の斜面下を見ると、大きな「横堀」がありました。本庄山砦の発掘調査の際に発見された横堀と類似しており、高平山砦は武田信玄・勝頼が元亀~天正年間に久野城攻めの拠点として築いた砦である可能性が考えられます。

高平山砦南東の横堀(!?)

次に、飯田城を見学しました。この城は、当初は今川氏の被官である山内氏の居城であったということですが、同氏が徳川家康に滅ぼされ武田信玄が遠江に侵攻した後は、徳川軍・武田軍の陣城として活用された可能性が高い、とのことです。参加者は水野会長の説明を聴きつつ、土塁や堀切、虎口など見応えのある遺構を丹念に観察していました。

飯田城物見曲輪の説明板前で水野会長の説明を聴く参加者

今回は、元亀~天正年間における武田・徳川両軍の城郭遺構を訪ねた見学会でしたが、高天神城の攻防とはまた一味違った両軍のせめぎ合いの様相を垣間見ることができ、充実した見学会であったと思います。

(文責:望月保宏)

テーマ展「井伊直虎と湖北の戦国時代」&特別講座ご案内

浜松市博物館主催のテーマ展「井伊直虎と湖北の戦国時代」と特別講座のご案内です。

  • テーマ展:平成28年12月17日(土)~平成29年4月9日(日)
    ・前期 遠江の国衆 井伊氏  ~平成29年2月19日(日)
    ・後期 遠州忩激と直虎の活躍 平成29年2月21日(日)~
  • 特別講座
    第1回講座
    1月22日(日)今川氏から見た井伊氏』 大石泰史氏 大石プランニング主宰
    第2回講座
    2日(日)井伊直虎をめぐる人々』 夏目琢史氏 一橋大学助教
    第3回講座
    日(日)『井伊氏系譜の史実と虚講』 野田浩子氏 彦根城博物館学芸員
    時間 午後2時から午後4時まで
    会場 浜松市博物館講座室
  • 定員 各回70名(要申込み・応募者多数の場合は抽選)
    ※博物館観覧料が必要となります。(参考 大人300円)
  • 申込方法
    往復はがき/「往信用裏面」ご希望の講座名・住所・聴講者氏名・電話番号
    「返信用表面」郵便番号・住所・氏名を明記の上、お申込みください。
    ※往復はがき1通で1名様の申込みが必要となります。(講座ごとの申込みとなります)
  • 締切り/第1回講座 1月7日(土)必着
    第2回講座 1月28日(土)必着
    第3回講座 2月18日(土)必着
  • 申込先/〒432-8018浜松市中区蜆塚四丁目22番1号
    浜松市博物館「井伊直虎特別講座」係